今回は私がLow-secのSolo PvPで愛用しているブリーチャーのFitについてお話しようと思います。
私は普段、T1FG全般と一部の海軍FGをターゲットに、Low-secのFW区域であるBlack Rise方面をブリーチャーで飛び回りながら対戦相手を探しています。
しかし、ローミング中に遭遇する多種多様な船に、普通のブリーチャー1機で対抗するというのは至難の業です。
例えば、普通の近距離仕様のブリーチャーでは、MWDを装備して遠距離から攻撃してくるカイト艦に対して対抗手段がありませんし、Overdrive Injector System II 等を装備して通常よりスピードを強化したトーメンターやインカーサスに対しても、レンジコントロールが難しく、攻撃をもろに受けてしまう為、不利になります。
もちろん、あらかじめ活動拠点(ステージング)を設けておき、数ジャンプ範囲のシステム内で戦うのであれば、相手に応じて船を変えてしまうという手段もありますが、戦えそうな相手を前に数ジャンプ戻ってリシップするというのは、フリートであればともかく、ローミング形式のSolo PvPにおいては無駄が多いと言えます。
【「Side Fit」という考え方】
トレーディングカードゲームの世界には「サイドデッキ」や「サイドボード」と言われる、メインデッキと入れ替え可能な予備カードの制度があります。
それと同じように、いわば「Side Fit」とでも言うべき、換装用のモジュールをインベントリに入れておき、zkillboard等で予測した相手のFitに合わせて、ステーションやシタデルでモジュールを換装して戦えば、自分と相性の悪い船にも対抗出来るようになります。
これは同時に、1機で倒せる敵の数(範囲)が多くなるという事でもあり、1機で出来る事が増えれば、複数の船を用意するといった手間やコストを減らす事にも繋がりますし、不意のフリートに際してもタックラー用に船をリシップする必要が無いので、フリートアップの時間を大幅に短縮する事にもなります。
こうした考えに基づき、私のブリーチャーは、相手に応じてMid/Low Slotのモジュールを換装し、ローミング中でも様々な船(Fit)に対応出来るように作ってあり、AB・MWDのどちらを装備した状態でも、Ballistic Control System II 、Energized Adaptive Nano Membrane II 、Overdrive Injector System II のいずれか1つを搭載して「攻・防・速」の性能を選択的に強化できるようにしてあります。
特殊なものも含めるとFitのパターンは全部で7つあり、下記の通りとなります。
【R0(Main Fit)】
[Breacher, R0]
Damage Control II
Energized Adaptive Nano Membrane II
Small Ancillary Armor Repairer
Medium Ancillary Shield Booster
Stasis Webifier II
1MN Afterburner II
Warp Scrambler II
Rocket Launcher II
Rocket Launcher II
Rocket Launcher II
Small Auxiliary Thrusters I
Small Processor Overclocking Unit I
Small Auxiliary Nano Pump I
Hobgoblin II x2
Mjolnir Rage Rocket x300
Caldari Navy Scourge Rocket x150
Caldari Navy Inferno Rocket x150
Navy Cap Booster 50 x36
Caldari Navy Mjolnir Rocket x300
Nova Rage Rocket x300
Caldari Navy Nova Rocket x390
Nanite Repair Paste x32
Nova Javelin Rocket x150
Mjolnir Javelin Rocket x150
【R0(Side Fit)】
[Breacher, R0(side fit)]
Overdrive Injector System II
Ballistic Control System II
5MN Y-T8 Compact Microwarpdrive
Fleeting Compact Stasis Webifier
Faint Epsilon Scoped Warp Scrambler
【カタログスペック(Main Fitの場合)】
1.Main Fit(防御型)
防御力と機動力のバランスを重視したマルチタイプで、近距離戦における基本形です。
この状態でも、平均的な攻撃型T1FGより足が速い為(AB装備時1293m/s)、このままでも大抵の近距離艦に対してレンジをコントロール出来ます。
特に、マーリンやケストレルといったDual WEB Fitが予想される船や、近距離仕様のトリスタン、軽量FGのエクスキューショナーといった、速度の優位性が活かしづらい相手に対して、防御力で対抗する場合に用います。
2.高機動Fit
・Main Fitとの変更点
Energized Adaptive Nano Membrane II (out)
→Overdrive Injector System II (in)
防御力を犠牲にする代わりに、スピードを強化したタイプで、主にインカーサスやトーメンターといったタレット艦を相手にする際に使います。
AB装備で1442m/sという軽量FG並のスピードが出せる為、Dual Prop仕様のファイアテイルやアトロン、リフター等、メインFitのスピードで対抗出来ない可能性がある相手と戦う場合にも用います。
3~5.アンチカイトFit(高速戦闘型/乱戦仕様/タックラー仕様)
・Main Fitとの変更点
1MN Afterburner II (out)
→5MN Y-T8 Compact Microwarpdrive (in)
Energized Adaptive Nano Membrane II (out)
→Overdrive Injector System II (in)
・乱戦仕様/タックラー仕様
Overdrive Injector System II (out)
→Ballistic Control System II (in)
→Energized Adaptive Nano Membrane II (in)
カイト艦全般に対抗する為のFitで、トップスピードは約3900m/sを叩き出し、スライサーはおろか、条件付きですがガルムを捕まえる事も出来ます。
なお、ポイントした相手はMWDが止まり、WEBも当たっているはずなので、Rage弾を用いた方がダメージ効率が高いです。
また、WEBをメタ品(Fleeting Compact Stasis Webifier)に切り替えて、CPUリソースを空ければ、他のLow Slotモジュールと交換する事も可能です。
また、スクラムを落としたタイプのDual WEB Fit艦や、ディスラプターを用いたWEB持ちのミドルカイト艦に対して、MWDで強引に速度有利の状況を作り出す為に使う事もあり、何かと応用の幅が広いタイプです。
ただ、キャパシタを大量に消費する為、長期戦には向かず、きっちりキャパシタを管理しておかないとSAARが回らなくなります。
6.火力強化Fit
・Main Fitとの変更点
Warp Scrambler II (out)
→Faint Epsilon Scoped Warp Scrambler (in)
Energized Adaptive Nano Membrane II (out)
→Ballistic Control System II (in)
Dual Tank Fitのインカーサス等、防御力や速度よりも火力が求められる場合に用います。
少数フリートの火力支援艦としても使い勝手が良いですが、スクラムかWEBをメタ品に変えて、CPUリソースを空ける必要があります。
コンセプト上、火力を高める事が目的となる為、Solo PvPにおいてはスクラムをメタ品(Faint Epsilon Scoped Warp Scrambler)に切り替える事が多いです。
7.Dual WEB Fit
・Main Fitとの変更点
Warp Scrambler II (out)
→Fleeting Compact Stasis Webifier (in)
Dual WEB Fitのファイアテイルや、スクラムを落としたタイプのDual WEB Fit艦等、メインFitの防御力では対抗出来ないDual WEB Fit艦への対抗策として使う事があります。
イレギュラーなタイプとなる為に滅多に使いませんが、いざという時、役に立つ事があり、こちらもLow Slotは自由に入れ替え可能です。
私のブリーチャーはリグの構成がアーマー強化になっている為、MASBを落としても良いのですが、防御力が大幅に低下する為、撃墜というよりは撃退を主眼に置いて、スクラムをオミットする事が多いです。
相手を落とせたら御の字というスタンスのFitになります。
ブリーチャーの他にも、Low-Slotが4つあるトーメンター・インカーサス・リフター等であれば、Overdrive Injector System II をインベントリに忍ばせて、Adaptive Nano Plating II と適宜使い分けたり、リソースやキャパシタ消費に多少余裕があるなら、MWDを持つのも良いのではないかと思います。
また、自艦がカイト艦だった場合、同じカイト艦への対策としてあらかじめスクラムを持っておき、必要に応じてポイントを交換して、アンチカイト艦に早替りする、というのも良いかもしれません。
【Side Fitの注意点】
こうした考えは、あくまで「弱点を補強する」という事を主眼に置いたものである為、コンセプトをがらっと変えたり、メインのFitが滅茶苦茶になったり、CPU/PG UPモジュールを多用するというのは、あまり好ましくありません。
また、交換が出来ないリグとのシナジーを無視したような予備モジュールを積む事も、リソースを却って無駄にしてしまい、性能を落とす事に繋がります。
あくまで、自分が苦手な相手に対してメタを張る為のものになりますので、取り入れる際は、基本コンセプトから逸脱しない程度にしましょう。